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The Choir of New College, Oxford (Choirs Home Page)

(オックスフォード、ニューカレッジ合唱団)

 

艶やかさ、透明感という点では現在世界最高の合唱団。 日本人にはあまりなじみの無い

イギリスやフランスの古い作曲家の作品を取り上げることが多かったが、最近はエラート (Erato) や

デッカ (Decca) から、所謂「ヒーリング系」というのに近いような CD を多数出している。

しかし、それらの録音の完成度は極めて高く、音質も極めて良い。

 

  Handel Messiah / Choir of New College Oxford

 

このCDは大変素晴らしい。 ソロ、合唱ともにソプラノパートはChoir of New College Oxfordの少年

たちによって歌われている。 合唱はいつも通りの艶やかな声で歌っている。

録音のせいもあるかも知れないが、いつもより若干くっきり聴こえるような気もする。 

ヘンデルのメサイアは動きの速い箇所も多数あるが、きっちり丁寧に歌っている。 All we like sheep have gone astray

で、伴奏や成人合唱に負けじと、くねくねした旋律を可憐な声を振り絞って、しかも完璧に制御しながら

きっちりと歌ってのけるのが意地らしい。 その一生懸命に歌っている様子をより良く確認したくて、

思わず何度も聴いてしまう。

ソロの少年達はいずれも艶やかで柔らかな声で大変良い。

中でもOtta Jones の歌うHow beautiful are the feet of them は信じがたいほど美しい。 彼の声は非常に艶やかで、

柔軟で厚みがあり、ダイナミックレンジも広く、しかも完璧にコントロールされている。 しかし彼の歌う

How beautiful をこんなにも魅力的にしているのは、彼が技巧を駆使しつつも、音楽に非常に自然に反応し、

この曲の持つ、ちょっぴり憂いを帯びた、うっとりするような甘さを表現できていることであろう。 

Otta Jonesは録音当時12歳であったらしい。 12歳の少年が、技術的、精神的にこんなにも良く熟れた

演奏をするとは、本当に信じがたい。  

Aria、 Rejoice greatly はソプラノではなく、テノールによって歌われている。 これは少し残念。

2006年1月の録音。 大変素晴らしい録音だと思う。 鮮明でありながら自然である。 

ボーイソプラノのソロの録音は、もうこれ以上は望めない、と思わせるほど優秀な録音である。

Producer: Adrian Hunter.  Engineer: Jonathan Stokes. 

Post production: Adrian Hunter, Nick Parker and Edward Higginbottom.

 

指揮: Edward Higginbottom

Trebles: Henry Jenkinson, Otta Jones, Robert Brooks

Naxos, 8.570131-32  (2006年10月頃、Amazon.co.jp で購入。 2000円くらい。)  

 

 

 

 Carols for Christmas Morning   曲目⇒

         The Choir of New College, Oxford

 

2003年12月の日本ツアーのプログラムに近い曲目が収録されている。 イギリスの

合唱団が好んで取り上げる曲が多い。 ただ、 E. Higginbottomらしく、 M.A. Charpantier

(Kyrie eleison, from Messe de minuit pour Noel) や Poulenc (Quem vidistis pastores)

などのフランスものが収められている。 合唱の水準は通常通り高い。 ソプラノソロは主に

Joseph Littlewood が歌っているが、 とても透明な美しい声で、尚且つ安定感があって大変よろしい。 

録音はおそらく2003年(合唱団のWebに書いてあったような気がする)。 音質は自然で、鮮度も十分高い。

ただ、音量の大きな箇所で僅かに荒れる、というか歪むような所もあるのが少々残念。 

ソロはとてもくっきり美しく捉えられていて嬉しい。

 

指揮: Edward Higginbottom

The Gift of Music (これがLabel名だと思うのですが),  CCL CDG1075

(コンサート会場で購入したが、確かAmazon.co.uk でも買えたと思う)

 

 

   Bach St John Passion / The Choir of New College, Oxford  

 

全体にNew Collegeらしい透明感のある美しい声で歌っている。 力強さやねちっこさという点では、

Windsbacher Knabenchorの演奏の方が優れていると思う。 ただ、すばしこさと言う点では同等以上である。

Disc 2, Track 13 のLasset uns den nicht zerteilen では、速めのテンポ設定にもかかわらず、

細かい複雑な動きも非常に正確に、気持ちよく歌っている。 この合唱団はこんなすばしこさを持っていた

のかと少々驚いた。 (このすばしこさをHändelのメサイアに適用したら、 さぞかし楽しい演奏になるだろう。 

是非この合唱団のメサイア全曲盤を聴いてみたい。)

このCDで最も注目したいのは、ソプラノソロ (Ich folge dir gleichfalls, Disc1 Track9;

Zerfliebe, mein Herze, Disc2, Track22) が、この合唱団のhead chorister, Joe Littlewood

によって歌われていることであろう。 透明感のある伸びやかな声で、自然な情感を込めて歌う。 

Sebastian Hennigを彷彿とさせる出色のボーイソプラノであると思う。

2001年、2002年の録音。 音質はとても鮮明で自然。 大音量時に僅かに荒れるようなところも無いではない。

小編成時や、ソロの場面の音質は素晴らしい。 とても美しく雰囲気豊かである。 

CD1のTrack9のIch folge dir gleichfallsでは、ソロのJoe Littlewood がスピーカーの真ん中に綺麗に定位して、

しかも非常に鮮明な音質なのでとても生々しく、目の前で歌っているようで、どきどきしてしまう。 

Recording engineer: Adrian Hunter.

全体に非常に完成度が高く、是非お勧めしたいCD。

 

指揮: Edward Higginbottom

NAXOS,  8.557296-97  (amazon.co.uk で購入)

 

  In Excelsis / The Choir of New College, Oxford  曲目⇒

 

最初のGiles Swayne (b.1946) のMagnificatが大変面白い。 Stravinsky の春の祭典と、

日本の祭りの囃子を混ぜたような曲。 血沸き肉踊るような感じの曲。 へんちくりんなリズムとメロディーに

満ち溢れている。 1982年にChrist Church Cathedral Choirによって委嘱され作曲されたらしい。 

1982年と言えば、Christ Churchの指揮者はFrancis Grierのはず。 確かに、彼の好みそうな曲だな)  

少年合唱にこんな曲を歌わせようと考えるこの作曲家はかなりキテルと思う。

また、あえてこのような曲をCDの冒頭に持ってきたE. Higginbottom も大胆。 そのほかの曲でも、この合唱団

独特の磨き上げられた艶々の歌声を聴くことができる。 Track12のTallis: Audivi vocem de caeloの透明な

澄み切った美しさには思わず息をのんでしまう。 2001年4月の録音で音質は大変良い。 

Recording Engineer: Jacques Doll. 

 

指揮: Edward Higginbottom

Erato, 0927-44657-2 (輸入版)

 

 

  Agnus Dei  / The Choir of New College, Oxford

                   曲目⇒

 

一曲目のBarberのAgnus Deiからして素晴らしい。 とても透明な悲しみ。

最後のAllegri: Miserere mei, Deusでは、 ソプラノのThomas Herford が非常に旨い。 あの難しいソロパートを、 

子供の癖に余裕綽々と絶妙なビブラートをかけて歌う。 かなり危ない香りがする。 私などはちょっとくらっときてしまう。 

合唱も素晴らしい。 録音は1996年で、音質は完璧と言って良い。 強くお勧めしたいCD。 

 

指揮: Edward Higginbottom

Erato,  0630-14634-2 (輸入版、 国内盤もある)

 

 

  Nativitas   / The Choir of New College, Oxford 

                     曲目⇒

(クリスマスにはア・カペラを 天使たちの聖歌隊2)

  

クリスマスのための曲を集めている。

Agnus Dei」 に輪をかけて素晴らしい。 最初の 「I wonder as I wander」 は聴いた瞬間から

心に染み入るよう。 プーランクのクリスマスの4つのモテットから、3曲が収められている。

すべすべ艶々透明の歌声で歌われるプーランクは本当に美しい。 最弱音に至るまで

とても丁寧に歌っている。 思わず息を潜めて聴いてしまう。 1997年の録音で、音質も非常に良い。

 

指揮: Edward Higginbottom

Erato,  WPCS-6014 (国内盤)

 

 

 

  Bluebird  / The Choir of New College, Oxford  

          曲目⇒

 

このCDでも、やはりこの合唱団は透明で艶々で息がぴったりあってて丁寧で、うっとりする。

The Blue Birdはとてもさわやかな感じの曲。 RacmaninovNyne Otpushehayeshiはぜーぜー

いうような美しさ。 今世紀のTavernerSong for Athene は思わず手に汗にぎる。

16世紀のTaverner の Mater Christi もとてもよい曲。 ロッシーニの O salutaris hostia

あまり有名ではないかもしれないけど、 私は大好き。

1999、2000年の録音で、音質はこれまた大変素晴らしい。

 

指揮: Edward Higginbottom

Decca, 466 870-2 (輸入版。 国内盤もある)

 

 

 

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