HOME (The Art of Boys Voice) ⇒

ご意見、ご感想などありましたら、管理人にメール または ゲストブックへ  お願いします。

 

Toelzer Knabenchor (テルツ少年合唱団)

 

この合唱団はとにかく元気いっぱい。 聴いてる方も元気が出てくる。 

ボーイアルトなどは、地声に近い声でばりばり歌う。 しかし、そういうのも

なかなか良い。 オペラなどで活躍する機会が多いせいか、個々の少年たちの

ソリストとしての能力は非常に高いと思う。 ただ、少々雑な演奏になることも少なく

なく、CDにもけっこう出来、不出来がある。 ただ、良い演奏は本当に素晴らしい。 

 

 

 Bach, Johannes Passion (DVD) / Tolzer Knabenchor

 

このDVDは非常に素晴らしい。 ソプラノソロ、アルトソロともにテルツ少年合唱団の団員が歌っている。

ソプラノソロはHelmut Wittekである、とどこかのサイトで見たような気がするが、解説書などには記載が

ないようだ。 しかしこの少年の自由奔放で抜けるような歌声は、バーンスタイン指揮のマーラーの4番で

聴き慣れたHelmut Wittekの声に大変良く似ているので、まあ、Helmut Wittekなのだろう。 ヨハネ受難曲

のアリアを歌うには最適の雰囲気を持つ少年とは言えないかもしれないが、しかし上手い。 非常に上手い。

愛嬌のある顔をしていて、 ヨハネ受難曲の難しいアリアと(それからアーノンクールの険しい表情と)懸命に

戦って、 歌い終わってほっとした瞬間に見せる表情が大変微笑ましい。 

2つのアルトソロは別々の少年によって歌われている。 この2人のボーイアルトには本当に驚かされる。

2人とも体が比較的大きめで、年齢も合唱団の中では上の方と思わるが、声量が尋常でないほど豊かである。 

成人のソリストと互角である。 しかし声の透明感や艶やかさもある。 ボーイソプラノが、どちらかと

いうと軽々と歌うのに対して、ここでのボーイアルトは顔を赤くして、体を震わせて、全身全霊を込めて

歌っていて感動的である。 

ヨハネ受難曲には私の好きな合唱曲が沢山あるが、テルツ少年合唱団はとても良く歌っている。 

私の特に好きな 27b Lasset uns den nicht zerteilen も躍動感満点で大変良い。 

こういう躍動感にはアーノンクールの指揮も大いに貢献しているだろう。

Dom, Graz, 26-30 June 1985 の録音。 音質は良い。 ヴァイオリンなどがややかさかさするかな、

と思わないでもないが、ボーイソプラノ、アルトソロなどは、その魅力を余すところ無く捉えていて大変良い。 

また、ソロの伴奏をする古楽器のしっとりとした音も大変美しい。

なお、字幕はドイツ語、英語はあるが日本語は無い。

音声フォーマットは、PCM STEREOとDTS5.1。

 

指揮: Nikolaus Harnoncourt

Deutsche  Grammophon 00440 073 4291

 

 

 

 

  J.S. Bach Weihnachtsoratorium (DVD) / Tolzer Knabenchor

 

バッハのクリスマスオラトリオのDVD. 合唱もソロもテルツ少年合唱団による。 

合唱はいつも通り元気いっぱい。 とても自然に音楽に反応しているように見える。 

ソロの少年たちもとても上手い。なかでも、私はアルトの少年がとても気に入ってしまった。 

かなり低い音も滑らかで豊かだし、高い音も透明感があって非常に魅力的。 

この少年、指揮者のアーノンクールの尋常でなく怖い目でにらみつけられても、

表情一つ変えず、まったく冷静に淡々と歌っている。 映像を見ているととても面白い。

1981年の収録。 映像は問題なくきれい。 音質はいかにもアーノンクール好みの鮮明な音。 

ヴァイオリンの高音部などはちょっとうるさいと感じることもあるが、合唱やソロは大変瑞々しい好ましい音質。

音声フォーマットは、PCM STEREOとDTS5.1。 

 

指揮:Nikolaus Harnoncourt

Tenor : Peter Schreier, 

Bass : Robert Holl

Concentus Musicus Wien

 

Deutsche Grammophon, 00440 073 4104  

 

 

 

  Mozart / Apollo et Hyacinthus / Tolzer Knabenchor

 

曲の説明 

CDの解説書の一部を要約した。 少々わかりにくい箇所もあって、訳にはあまり自信がない。 間違い

があったら、是非指摘して下さい。)

アポロンとヒュアキントスは、Rufinis Widl教授によって書かれたラテン語の喜劇に合うように作曲された。

この学者は幕間の作詞もしたと考えられる。 物語はOvideの ‘Metamorphoses’から取っている。 この元の物語の概要

は次のようである: アポロンとゼピュロスはどちらも、聖職者オイバロスの息子、美しいヒュアキントスに魅了されている。

アポロンとヒュアキントスは円盤競技の練習をしている。 失恋者のゼピュロスは、彼の力を用いて、舞い上がった円盤を

ヒュアキントスにめがけて落下させ、ヒュアキントスを死なせてしまう。 ヒュアキントスの死に絶望したアポロンは、彼を

花に変える(ヒアシンス)。 ザルツブルグでは物語はこんなにストレートではなかった。 というのもこの幕間は、高校の

男子生徒が演じるためのものだったからである。 Widl教授は若い生徒の道徳に悪影響があるのではないかと心配し

物語を以下のように変更した。 (訳注: この元の物語のままでは、少年愛の主題があまりに濃厚なので、男子生徒が

演ずるには道徳的に好ましくないだろう、とWidl教授は考えて物語を書き直した、ということだろう。) 

女性の登場人物、ヒュアキントスの妹(姉?)メリアを登場させた。 アポロンは、メリアとの結婚を同意してくれるように

彼女の父オイバロスにお願いする。 しかしゼピュロスはヒュアキントスが死んだ事故の責任はアポロンにあるかのように

見せかけて、アポロンとメリアとの結婚を不可能にしてしまう。 この誤解はヒュアキントスがアポロンの無実を証明する

ことによって最後には解かれる。 結局はアポロンはメリアと結婚することができ、めでたし! 男子生徒の道徳の問題も解決!。

 

演奏

メリア(=Christian Fliegner, Soprano)、ヒュアキントス(=Sebasien Pratchske, Soprano)、ゼピュロス(=Philipp Cieslewicz, Alto)、

アポロン(=Christian Gunther) はすべてテルツ少年合唱団員。 とても堂々と歌っていて素晴らしい。 これだけの人数の

優秀なソリストが同時期に利用可能とは驚きである。 

 

録音

1990年頃の録音。 バランスの取れた、聴きやすい良い録音だと思う。 少年達の声も鮮明に捉えられている。

 

指揮: Gerhard Schmidt-Garden

PAVANE RECORDS, ADW 7236/37 (ドイツの通販 jpcで購入)

 

 

  J.S.Bach  / C.P.E.Bach,  Magnificat / Tolzer Knabenchor

大変躍動感のあるMagnifcatである。 テルツ少年合唱団が、元気いっぱいに、しかも雑になることなく

歌っている。 動きの速い難しい箇所も、もたつくことなく見事に歌っている。 ソプラノ・アルトのソロパートも

この合唱団の団員が歌っている。 BachのMagnificatでソロパートをボーイソプラノ・ボーイアルトが

歌っているのは、このCDだけではないだろうか?  しかもこのソリストの少年たちは大変うまい。 

1966年と少々古い録音だけれども、 鮮明かつ聴きやすいバランスの良い録音。 

輸入版しかないようだが、1,000ちょっとで買える。 是非試して頂きたい一枚。

 

指揮: Gerhard Schmidt-Garden

Deutsch Harmonia Mundi,  05472 77411 2 (輸入版)

 

 

J.S.Bach Kantate 147 / Tolzer Knabenchor

ここでもテルツ少年合唱団はバッハの有名なカンタータを、元気いっぱいに、

明るい声をぴったりあわせて歌っている。 ソプラノアリア Bereite dir, Jesu, noch itzo die Bahn を歌う、

ボーイソプラノの Alan Bergius も柔らかくて透明な良く通る声で大変印象的。

1980年代初期のデジタル録音だと思うが、 大変鮮明で聴きやすい音質。 デジタル録音初期の

耳障りな感じは無い。 このCDも是非聴いて頂きたい。 

 

指揮: Nikolaus Harnoncourt

  Teldec, もとはTeldecのバッハカンタータ全集のなかの一枚だが、 有名な曲の名演奏なので

  様々な形で再発売されている。 ちょっと大きなCD屋であれば必ず手に入る。

 

 

 J.S.Bach, Matthaus Passion / Tolzer Knabenchor

 

合唱のソプラノパートは全編を通してテルツ少年合唱団が担当している。

ソプラノソロはテルツ少年合唱団員が歌っている (Christian Fliegner, Maximilian Kiener)。

ソプラノアリアBlute nur, du liebes Herz を歌う少年は新鮮な良く通る声でとても上手にうたっている。

バッハのマタイ受難曲で、ソロを少年が歌うのは、このレオンハルトのものと、 アーノンクールのTeldec

から出ている旧録音だけだと思う。 アーノンクール盤でソロを務めるのは、ウィーン少年合唱団の団員だが、

とても深みのある内省的な感じの声で、ここでのテルツのソロとは対照的。 どちらも捨てがたい。

1989年の録音。 Recording & Editing: Stephan Schellmann, Andreas Neubronner。  音質は鮮明で良いのだが、

わずかに鮮明さが強調されているように感じる。 もう少しマイルドな音にならないかなあ。

 

指揮:Gustav Leonhardt

Deutsch Harmonia Mundi, BVCD-3001-03 (国内盤。 私がこのCDを買ったのはもう10年以上

も前のことなので、型番は変わっているかもしれない。 輸入版ももちろんある)

 

 

 J.S.Bach, Mass in B Minor / Tolzer Knabenchor

 

この録音の最大の特徴は、合唱のみならず、ソプラノとアルトのソロもテルツ少年合唱団の団員が

歌っていることだろう。 私の知る限りでは、 ソロを少年が歌っているのは、このCDだけではないか。

(ボーイアルトが一部登場する録音はあったが)  ソプラノソロは Manuel Mrasek, Matthias Ritter,

アルトは Maximilian Fraas, Matthias Schloderer.  合唱もソロもとても良く歌っていると思う。 

ただ、Windsbacher Knabenchorの完璧な合唱と比較してしまうと、ちょっと雑かな、感じてしまわないでもない。 

個人的な意見になるが、どうも私はイギリス系の指揮者のBachはあまり好きになれない。

ガーディナーのバッハもあまり好きになれなかった。 なんか、せかせかしてるようで。 

1996年の録音。 録音は鮮明なのだけれど、わずかにエッジの立ったような感じがする。 

私の愛するタイプの音質からはちょっと外れてる。 Recording Engineer: Philip Hobbs.  

 

指揮:Robert King

Hyperion, CDA67201/2 (輸入版)

 

 

 Mozart,  Requiem / Tolzer Knabenchor

 

私の知る限り、テルツ少年合唱団の2度目のMozart Requiem。 一度目のDHM版は、とても元気が良いが

非常に洗練されているとは言い難かったが、 今回のはかなり洗練されたと思う。 Lacrimosaなどで、ソプラノ合唱が

ゆったりと浮かび上がるところなどは、本当に美しい。 こういう天上的な美しさは少年合唱でないと出せないな、

とつくづく思う。 そのかわり、 劇的な部分でこの少年合唱団独特の爆発力は影を潜めてしまった。  

ソロは女性ソプラノ。  1999年の録音。 鮮明な音質ではあると思う。 ただ、個人的には、ちょっとdetai

が強調されているかな、と感じる。 それから、もう少し合唱に重点を置いてMixingして欲しかった。

Recording Engineers: Stephan Schellmann, Markus Heiland.

 

指揮:Bruno Weil

Sony Classicl, SK 60764 (輸入版)

 

 

 Mozart,  Requiem / Tolzer Knabenchor

 

非常に洗練された演奏とは言えない。 けれども、テルツ少年合唱団らしいとても元気のある演奏。 

ちょっと振幅が大きすぎて少々逸脱してしまうような箇所も無いではないが、 KyrieやDies irae での爆発力は

大変魅力的。 録音も管弦楽よりは、むしろ合唱に重点を置いていて、 各パートの動きを明確に捉えている。

合唱だけでなく、 ソプラノとアルトソロもテルツ少年合唱団の団員が歌っている。 2人ともなかなか良く歌っている。 

ソプラノソロはHans Buchhierl,  アルトソロはMario Kramer. 

1970代前半の録音を思われる。 Engineering Engineer はたぶん: Dr. Th. Gallia, P.Dery。  

音質は、この当時の標準と言って良いだろう。 合唱を鮮明に捕らえているのには好感が持てる。

 

指揮:Gerhard Schmidt-Garden

Deutsch Harmonia Mundi, VD77584 (輸入版)

 

 

HOME (The Art of Boys Voice) ⇒

ご意見、ご感想などありましたら、管理人にメール または ゲストブックへ  お願いします。