G. Faure
Requiem, Op.48
Alain Clement & Maitrise Saint-Pierre-Aux de Bulle
- Highly Recommended !!
これはFaureのRequiemの決定的な名演であると思う。 すべてが自然で淀みなく流れる。
少しも作為的な所が無い。 少年合唱は明るく澄んだ声でひたむきに歌う。 内省的な部分も、
In Paradisumのような天国的に美しい部分も、 あくまでも自然に表現する。 Pie Jesuを歌う
Alain Clement (アラン・クレマン) がまた最高に素晴らしい。 FaureのPie Jesuを歌う
ボーイソプラノの鑑とも言うべき。 明るく透明な声で一心に歌う。
ちょっと音程が不安定になったり、声が震えたりするのが得も言われずいとおしくて、
思わず抱きしめたくなってしまうような歌声。 1972年の録音で、もちろんばりばりの
HiFiでは無いけれど、演奏と同様、非常に自然なセンスの良い録音。
Sound Engineer: Peter Willemoes。
指揮:Corboz
Erato: WPCS – 21095 (国内版)
Choir of New College, Oxford - Recommended
New Collegeの少年達は相変わらず非常に艶のある美しい声で歌う。 たまに、ちょっと頑張りすぎて、
濃くなり過ぎると感じる部分がある。 でも全般にとても良く歌っていると思う。 Pie Jesuでソロを歌うのは
Jerome Finnis. このボーイソプラノの声も大変艶やかで良く通る声。 とても素直な歌い方で、
この曲には相応しいと思う。 微かに声が震えることがあるけれど、それがいかにもボーイソプラノらしくて良い。
そういえばこのボーイソプラノは、Hyperionから出ている The Complete Anthems & Services
でもソロを務めていた。 1990年4月の録音。 比較的こじんまりした印象の録音だけれど、合唱もソロも伴奏も
美しい音。 Balance Engineer: Bob Auger。 なお、このCDにはFaureのRequiemの他に
DurufleのRequiemも収められている。
指揮: Edward Higginbottom.
CRD, 3466 (輸入版)
Choir of King’s College, Cambridge - Recommended
Pie Jesuでソロを歌う少年 (Richard Eteson) は、少し線の細めの、柔らかく良く通る声。
Pie Jesuのソリストとしてはかなり私の理想像に近い 。 合唱もなかなか自然な感じで良い。
Offertoireのアルトの合唱はカウンターテナーが歌っているが、できたらボーイアルトに歌って欲しかった。
(King’s Collegeにはボーイアルトというのは無いのかな?) 。 1988年の録音で、音質は良いと思う。
Balance Engineers: David Flower & Neville Boyling. なおこのCDにはFaureのRequiemの他に、
DurufleのRequiemも収録されている。
指揮: Stephen Cleobury
EMI, CDC 7 49880 2 (輸入版)
Choir of King’s College, Cambridge
この合唱団は上手なんだけれども、ちょっとFaureのRequiemにはしっくり来ないような気がする。
ソプラノ合唱が頑張りすぎて、曲にきれいに溶け込んでいかない。 Pie Jesuのソロを歌う
Robert Chilcot (treble) も若干硬さが残る。 D.Willcoks&King’s CollegeのコンビによるHandelのMessiahは
最高の名演なのだが…。 このFaureに関しては少々期待外れの感がある。 でも最後のIn Paradisumは結構美しい。
1967年12月20日の録音で、音質はこの当時としては良い方ではないかと思う。 合唱もソロも鮮明に捉えられている。
Recording Engineer: Neville Boyling. Digital remastering: Simon Gibson & John Holland.
指揮:David Willcocks
EMI, CDM 7 64715 2 (輸入版)