Choir of
King’s College,
このCDはヘンデルのメサイアの奇跡的な名盤といって良い。 ソプラノアリアはすべてKing’s College
の少年たちによって歌われている。 通常ソロで歌われるアリアが、少年合唱で歌われている箇所もあるが、
これがとびきり巧い、美味い。 初めて聴いた人は腰を抜かすに違いない。 Rejoice greatly…はボーイソプラノ
の合唱で歌われているが、 この少年達のすばしっこさときたら尋常ではない。 息がぴったり合っていて、
ビブラートまでぴったり。 Rejoiceの「r」の巻き舌の音まであっている。 いったい何ということだろう。
How beautiful are the feet… も少年合唱で歌われるが、 甘いメロディーを丁寧にこの上なく美しく歌う。
うっとりして、私の脳みそは完全にとろけてしまう。 全体を通して、極上の演奏である。
1971&1972年の録音。 Balance Engineer: Neville Boyling. Digital Remastering: Peter Bown & John Holland.
音質はソフトな感じで聴きやすい。 残響も美しい。 なにより、合唱に重点を置いて、King’s Collegeの少年たちの
奇跡的に美しい声を克明に捉えている点は極めて高く評価できる。
指揮: Sir David Willcocks
EMI Classics, 0777 7 63784 2 8 (輸入版)
最近このCDを見かけない。 廃盤もしくは品切れ中なのだろうか? そうだとしたら、それはレコード会社の
怠慢である。 偉大な文化遺産に対する冒涜である。 この奇跡的に素晴らしい録音を多くの人々に聴ける
ように努めることは、レコード会社の当然の義務である。 ついでに国内版もリリースすべきである。
Choir of Christ Church Cathedral, Oxford - Reccommended
Choir of Christ Church Cathedral, Oxford のさらさらした、抜けの良い歌声を聴くことができる。
速い部分では少しだけ不安感を感じるが、ていねいに一生懸命歌っている。
CD2のTrack19(第51曲)では、 But thanks … と thanksを連呼するのだけれど、
その時の「th」 の音が、ふわふわの雲のように柔らかくて、 憎たらしいほど美しい。
1979年9月の録音。 L’OISEAU-LYREらしい、 高域の華やかな、鮮明な音質。
大きな音で長い間聴いていると、ちょっと疲れる感じがする。
合唱は大変良く聴こえる。 Recording Engineer: John Dunkerley, Martin Atkinson.
指揮: Christopher Hogwood
L’OISEAU-LYRE, POCL-4166/7 (国内盤)
Choir of
Choir of Worcester Cathedral の少年達はとても良く歌っている。 元気も良い。
ヘンデルの合唱曲では、音程を小刻みに速く変化させる所が沢山あるけれども、
大抵の部分はきっちり歌えている。 ソプラノソロはほとんど女声(Jennifer Smith)。
There were shepherds… はボーイソプラノで歌われている(Andrew J. King)。
1980年7月の録音。 ちょっと乾いた感じの音質だけど、
まあまあ良い録音だと思う。 合唱もそこそこ良く聴こえる。
指揮: Jean-Claude Malgoire
合唱指揮: Donald Hunt
Sony Classical, SB2K 63001
The Choir of King’s College, Cambridge - Recommended
The Choir of King’s College, Cambridge の少年達の声は美しく、なかなか上手に歌っていると思う。
ソプラノソロは女声(Lynne Dawson)。 1992、1993年の録音で、音質は鮮明で良い。
CDのBookletでは、このRecordingの技術的なことについて細かく書かれているが、
そんなに熱心に書くほどには美しい音ではないと思う。 鮮明ではあるんだけれど、
少々聴き疲れするような感じがする。
Recording Engineer: Simon Eadon
指揮:Stephen Cleobury
Argo, 440 672-2 (輸入版)