John Taverner
Taverner(1490年頃〜1545)はイギリス音楽史上最も不可解な作曲家と言われているようだが、
私は大好きである。 そこはかとない寂しさというか、孤独感というか、寂寥感というか、
あきらめというか、なんと表現したら良いかわからないが、 私の心の周波数とぴったり共鳴する。
Mass “The
Western Wind”
この曲も何とも、寂しげな、孤独感の漂う音楽。 いくつかのイギリスの合唱団が歌っている。
Choir of
George Guest が合唱団を去る直前の録音だろうか? この合唱団から、熟成された
香り高い歌声を引き出している。 録音も非常に良い。
指揮:George Guest
EMI:
CD-CFP 4654
The Choir of New College,
この合唱団特有の艶のある透明な歌声をここでも聴くことができる。
ソプラノがソロで歌われることがある。 音質はまあまあ良い。
指揮:Edward
Higginbottom
CRD
(最近、New College Choirによるイギリスの合唱曲CD10枚組みが4000円くらいで売られている。
その中にこのTaverner のWestern Windも含まれている。 Labelは良くわからない。
IMP GRAMかな?)
The Choir of King’s College,
King’s College の黄金時代を築いた Sir David Willcocks が指揮をしている。
録音は1961年で、さすがに若干バックグラウンドノイズが大きいが、 とても聴きやすい音質である。
指揮: Sir David Willcocks
Decca,
(452 170-2) 輸入版、Taverner の他にByrdのミサなどが入っている。
Missa Corona Spinea (茨の冠のミサ)
The Choir of
この曲はあっちの世界に行ってしまっている。 最高に気持ち良い。 寂寥感を超えて、諦めを超えて
恍惚感に満たされている。 このCDでは40分にも及ぶ高音の多い摩訶不思議なメロディーを
The Choir
of Christ Church Cathedral, Oxfordの少年達が息を切らしながら歌っている。
はちゃめちゃなこの曲を少年達にきちんと仕込んで歌わせた、当時の合唱団の指導者Francis Grierに
私は心から感謝したい。 1982年の録音。 音質はまあ良い。
これからもこの曲が他の合唱団によっても歌われ、録音されることを心底から願う。
指揮:Francis
Grier
ASV,
CRCB-1020 (国内版)
Missa Mater
Christi
The Choir of
この曲もタヴァナーらしい、寂しげな曲。 通常は7−8分で演奏されるけれど、このCDでは、典礼形式なのか、
全体で60分近い。 通常のミサ曲のように、Introitus、Kyrie、Gloria…という風になっていて、 そのうちのいくつかが
タヴァナーによる。 しかし、全体を通して、非常にしっくりきている。 Christ Churchの少年達が優しい歌声で、
この寂しげな曲を丁寧に切々と歌い上げる。 魅力的な旋律が次から次へと出てきて、一度聴き始めると
なかなか途中で止められなくなる。 1989年の録音で、音質は良い。 Nimbus独特のちょっと
かわいたような感じの音なのだけど、音場は自然だし、良い録音だと思う。
指揮:Stephen
Darlington
Nimbus, NI1762.
English Choral Music(8 CD SET)の中の1枚。 バラ売りもある。
(輸入版)